それでは具体的なブリード法w


1、ペアリング

一般にクワカブは、羽化してから長い期間休眠します。特に餌を食べたり動いたりするわけではなく、かと言って死んでいるわけでもなく。
ローゼンもこの例に漏れることはありません。

寿命自体はカブトより長く、オオクワより短くといったところで、一年持つか持たない程度だと思います。あまり詳しいことは分かりませんが、その程度でおそらく間違いないかと。

ローゼンの場合、ドルクス種のように後食をしてからも長い期間成熟しないわけではありません。大体羽化後1か月半ほどで後食、そこから更に1か月半ほど経てばペアリング〜産卵セットへのステップに移れるでしょう。

正確にいえば後食を開始すればOKなのですが、そこはやはり安パイというものです。一説には半年程度待ったほうが良いという説もあり、こればっかりは各飼育者の経験がものを言うのかもしれません。経験と言えば何でも済まされるわけではないのですが、やはり断言できるものではないので。

十分に成熟期間をすごさせたペアは、産卵セットを組み、そこに一緒に入れて構いません。

この様に♂が♀の上に乗っかるような形の事をメイトがードと呼び、この状態で長い時間いるようであれば、ここまでの段階は成功と言えます。
一度セットを組んだら、その中の材とゼリーを変えるだけの形となりますので、一般的な種の産卵のように♂を移動させる必要はありません。

産卵の兆候としては、やはり♀が盛んにゼリーを食べていたり、ケース内をうろうろしていたりと、多種の♀の習性と大差ありません。

産卵を始めたことを確認する事は案外容易で、ケースに耳を澄ませば「カリカリ」という音が聞こえます。これは材をかじっている音で、かじり始めは結構荒い音が聞こえます。

産卵をなかなか始めない♀が意外に多く、それが俗に言う♀のあたりはずれだと思います。結局こればかりはWDか累代品かは関係ないと思います。

ちゃんとした環境さえ作ってくれれば、♀はしっかりと産んでくれますので、我慢と辛抱が必要になる場合があるっていうことを最初に。


 
               セット例


大体このような単純なセットで産んでくれます。産む時は産みますし、産まないときは産みません。セットの質よりも生体のコンディションが重要だと自分は思います。


↑の写真はセット後2週間ほどで、産卵材をどかした直後の写真。産卵を終えた♀は、材に潜った穴の前で動きません。これは産んだ卵を守る行動だと思われます。


一応セットを組む上での注意点としては、

@使う材は「カワラ」or「生レイシ」or「砂埋めレイシ」

A温度は、最低18〜25℃(産卵開始したのが25℃。現在18℃でも問題なく産卵中)

B材の周りのマットはしっかりと詰める


自分が気を付けているのはこの程度ですね。材は本当に何でもよくて、自分は生レイシとカワラで問題なく産卵中。砂埋めは使用経験ありません。

材の太さもある程度何でもよく、硬さも同じくw柔らかければ穿孔しますが、硬ければ表面に産卵床を作り産みます。


産卵床=♀が木を削り、そのカスを埋め戻して作る卵を産む場所。




産卵床例↓


右写真の産卵床を取り除いた後の産卵木はこんな感じ。


この材はかなり硬く、あまり穿孔はしていませんでした。


このような感じで余ってる場合は逆側で再セットできたりします。一度お試しを。


他に産卵促進の裏ワザとしては、ケースの蓋に何も挟まないことですね。コバエは100匹以上になりますけど、湿度調整がしやすくなります。オウゴンオニは多湿を心掛けてください。あくまでも、現地に近い形に持っていきます。

他には、材をマットの代わりにカワラ菌糸ブロックで固定するといい結果が上がるかもしれません。


産卵のポイントは、♀のコンディション、ケース&材内の多湿です。マットで埋め込むのは材が動かないようにするだけでなく、湿度をコントロールする意味もあります。


よく菌が生きている材が良いなどと言われますが、これは菌が生きているため材の中が多湿で丁度良い環境になっているためではないのでしょうか。

      

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